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2014年3月10日 (月)

あーっ、藤村さん

今朝がた、ピットインの藤村さんが亡くなったことを知りました。

藤村さんが癌の治療をしながらそれでもピットインに働きに来ていたのは知っていましたが、こうして悲報を聞いて残念でなりません。

藤村さんは僕にとってこの世界では先輩でした。

40年前、19才で新宿ピットインに出演し始めた頃、藤村さんはすでにピットインで働いていました。
当時ピットインで働く従業員の人は自分にとっては皆さん先輩であり、いい演奏ができなかった時は彼らに申し訳なくてうつ向いていたり気落ちして挨拶すらできずに帰ったり。

最初自分はそんなでした。
そんな中で昔から今も変わらず優しく接してくれたのが藤村さんでした。

幾度も藤村さんに演奏を誉められて救われた気持ちになったり自信を取り戻したりもしました。

ある日、藤村さんに私の藤村さんに対する思いを伝えました。

ミュージシャンの気持ちを考えた丁寧な音響に感謝していることやいつまでも自分の中では初心のままで藤村さんが先輩であるということを伝えると、そのたびにミュージシャンを持ち上げる謙虚な返事が帰ってきました。

ある日藤村さんに「いつ頃のピットインが思いで深くて好きですか」と聞くと「渡辺貞夫グループが出演していた頃」という返事が返ってきました。
同じ世代の自分にはその意味と彼がピットインで働き続ける原点となっていたあの頃の熱いジャズのことがすぐに理解できました。

あの頃の新宿とあの時代のエネルギー。新宿ピットインでアメリカから帰国した渡辺貞夫さんを筆頭に新たに進化し始めた日本のハートフルジャズ。

その顔は嬉しそうで藤村さんから熱い青春の思いを感じたのを覚えています。

よくキャリアをつんでいくといつのまにか勝手に偉くなったような気になって偉そうな言動や振る舞いをしだす人もいます。

しかし藤村さんは昔から終始変わらず物腰が低く何を話しかけても優しくて謙虚な答えが返ってきました。

これはなかなか真似できることではありません。
その都度偉いなあと思い
その人間の在り方を大したものだと心から尊敬していました。

新宿ピットインでの自分のギターを音響という立場から40年間支えてくれ聴いてくれた藤村さんが亡くなったのは正直言って悲しいです。

心より御冥福を祈ります。

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