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2009年3月25日 (水)

市川リブルの思い出

昨日は市川リブルのマスターだった須田さんのお葬式だった。

リブルには二十歳すぎの頃に数回コーヒーを飲みに行った事があった。
当時のリブルはデイタイムに喫茶店としても営業していた。

何年かしてリブルに出演し始めるとマスターの須田さんは暖かく見守ってくれた。

30才頃にいよいよリーダーとしていろいろな実験を始めた時も須田さんは相変わらず見守ってくれた。

ジャズのライブハウスとしては当時誰もやっていなかった女性歌手とのデュオも暖かく見守ってくれた。
それがシューミーとの夢デュオだった。
およそジャズとはいえないようなエフェクターを駆使したルバートのバラードや日本語のオリジナルを聴いた須田さんは「いいじゃない、こうゆうのヨーロッパでは受けるよ」。
僕らはどんなにか須田さんに勇気づけられたことか。
ここリブルから夢デュオが始まったと言ってもいい。

リブルではエレクトリックギターによるエフェクティブなインプロのソロもたまにやっていた。
とてもジャズとは言えないような内容の実験音楽でも須田さんは暖かく見守ってくれていた。

こんな実験ばかりの僕にギターソロや夢デュオにギタートリオでスリーデイズライブをやらしてくれたのも今思えば須田さんならではだった。

須田さんは時代に先駆けてジャズのライブハウスでありながらノンジャンルでありグローバルな視点からミュージシャンのやる音楽をアーティストが何かを生み出そうとトライしている姿として楽しんでいたり見守っていた人だった。

夢デュオやトリオ、そしてソロを始めてから十年以上たってからリブルで偶然にもサガユキとバッティング。
その日の成り行きで彼女とセッションをしてみると同じような方向のインプロ指向である事が発覚。
この時のセッションがシナプスという彼女とのインプロデュオのきっかけだった。

その後シナプスはサガユキの呼び掛けでここ市川リブルから始まった。

この時も須田さんは「いいじゃない、どんどんやればいいんだよ」と嬉しそうだった。
僕はまた勇気を貰っていた。

時にはうるさい客とつかみ合いの喧嘩をしたのもここリブルだった。

そんな時須田さんはミュージシャンの味方だった。
「聴きたくないなら、嫌い音楽なら帰ればいい、とお客さんに一言」。

須田さんはお金にもならないのにあーでもないこーでもないと何かを表現しようとしているアーティストの事が心底好きだったんだと思う。

それと今にして思えば時代に先駆けてグローバルな感覚と視点も持ち合わせていた人だったと思う。

僕は新宿ピットインもさることながら、このような好き勝手にトライできたアケタの店、エアージン、そして市川リブルで育ったようなものである。
亡くなってしまった須田さんには心からありがとうと言いたい。
そして心から感謝の意を表明したい。

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コメント

たまたまここを拝見しました
須田さんが亡くなったことは知っています。私は下のロッキンによくいました。あの時は個性豊かな人がではいりしていましたね。 懐かしいです。今は縁があって向かいの商店に買い取られ(?)フレンチのお店になっているようです。  あまりにも個人的な話が多くて語りつくせないです。須田さんは外語大出なのをご存知ですか?  今でも長髪の細い面影が思い出されます。  

投稿: | 2018年12月 7日 (金) 23時11分

20年以上も前になるでしょうか?、りぶるで加藤さんの演奏をよく聞かせていただきました。客がワタシ一人だったこともしばしば・・・。吉野さんとのデュオやシューミーさんとのデュオなど思い出深いです。

緑(?)のSGが良く似合っていました。

加藤さんはトイレが長く、「紙が足りない」と半脱ぎの状態で出てきて、バイトの女の子を驚かせたりしていましたね。

加藤さんに「ギターを教えて欲しい」とお願いしたことがあります。月謝は三千円(!)と確か仰ってました。今思えば随分安かったですね。

加藤さんに習うのは実現しませんでしたが、ワタシは故郷の八戸市で現在もギターを弾いており、勝手に加藤さんの弟子を名乗らせていただいてます(笑)。

益々のご活躍期待しています。長文失礼致しました。

投稿: オオイシ | 2012年6月30日 (土) 10時09分

コジノリ殿。葬式は親族の方々の意向であまり多くの人には知らせなかったのです。身内のかたとマスターに近い年代の親しい人に連絡がいきました。そっとしておいてあげたいという思いから葬儀に出なかった人も多いいみたいです。僕らはマスターにいっぱい感謝しないとね。

投稿: 加藤 | 2009年3月30日 (月) 03時15分

加藤さん、
須田さんのこと、知らなかった。何年もりぶるに出ていたのに、ちょうど虫食い穴のように、こっちに連絡が来なかったのかもしれない。

凄くお世話になった店。
お葬式に出られなかったのは残念だけど…少しでも良い音楽目指して行くのがマスター孝行かなと思います。


ブログたまに読んでいます。
加藤さんやっぱり素敵です♪

投稿: こじのり | 2009年3月29日 (日) 03時52分

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